6/22 官邸前 大飯原発再稼働反対デモ リポート

6・22 大飯原発再稼働反対!デモ リポート

黒田 麻由子(ノンフィクションライター)

 

3・11後のこころの浮沈

6月15日に行われた、総理大臣官邸前での大飯原発再稼働反対デモ。主催者(首都圏反原発連合http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=28)がツイッターやブログなどソーシャルメディアで呼びかけ、集まった人の数、主催者発表で11000人。「安保闘争を思い出した」との知人(70代)の弁もあったほど、歴史の転換期を示すできごとではあったが、結局、日本政府は国民の声に耳をかさず、翌朝「大飯原発は再稼働への準備を開始」とのラジオ報道を聞いて、翌16日の午前中の私は寝込んでしまった。まさに「脱力」という言葉がふさわしい反応。

思えば、3・11から、「呆然」(直後)「自失」(2011年4~5月ごろ)「パニック」(2011年夏)「怒り」(ここに来るまで情報を得るごとに段階的に増す)「悲しみ」(怒りと交互にこころに落ちてくる)と揺れ動き、とうとう6月16日に「脱力」となってしまったわけだ。

こんなにも無力なのに、一人の大人として、親として、母として、次世代に何をどう伝えていくのか。

左右の舞台裏

なんだか勇気がまったく出てこない。筋力も出せず、身体が重い。それでもネットの動画で6月15日深夜まで続いたデモのようすを見て、1週間後の2回目、22日には行ってみようと考えた。これから毎金曜日に続くらしい。朝から雨が降り、昼過ぎから小雨となった22日、首相官邸前に私が着いたのは17時過ぎであった。

到着するやいなや、耳に入ってきたのは「大飯原発再稼働、賛成!」という声と「原発再稼動に反対の人間は日本から出て行け」「原発の火を消すな」というプラカードだった。この10人くらいの人々の集団は総理大臣官邸前ですでに昼過ぎから占拠していたようで、18時から開始予定の「再稼動反対デモ」に「反対」する形で真っ向から対立していた。

街宣車を有した、この人々の大演説は一定の迫力があった。「原発で電力不足になり、たくさんの人がクーラーも使えずに死ぬ(昨夏は死んだ)」「筋力トレーニングで筋繊維が壊れて再生するのと同じ原理で、放射線で遺伝子が傷ついてもより強くなって復活する。だから放射能は身体にいい」「脱原発を叫ぶ人は日本人ではない」「日本で脱原発をさけぶ前に、中国の核開発になぜ反対しないのか」などなど、声高らかに叫んでいた。

警官は赤いコーンを片手に慌しく通りを行ったりきたりしながら「歩行者の迷惑にならないようにしてください」などと口々に声をかけている。「デモに参加の方はこちら」という一言にはちょっと笑ってしまう。まだまだ火は弱そうだ。

テレ朝報道ステーションが報道した!

18時になり、再稼動反対デモが始まり、「再稼働反対!」というシュプレヒコールとともに、前週とほぼ同じく、主催者の男性やタレントの山本太郎、千葉麗子などが登場、社民党の福島瑞穂や作家の鎌田慧、落合恵子など有名人も次々とスピーチをした。「いま、民衆の力で再稼働を止めないと、なし崩し的に全国各地の原発が動き始めてしまう」という誰かの一言には背筋が寒くなる。

その間にも、国会議事堂前の地下鉄出入口から人々が続々と顔を出し、デモの隊列に加わった。一通り撮影をしてから、隊列に加わってみる。主催者は18時の時点で2万人と放送していた。最終発表は報道ステーションでも放映されたが、4万5千人ということだった。

女性が下支えする「あじさい革命」

デモ参加者の人の波は国会議事堂前から、首都高速都心環状線手前、六本木通りをぐるりと内閣府下まで、およそ500~600mほど続いていた(午後7時の時点)。国会議事堂前駅周辺は人だかりで歩くのも大変なほどで、人々は「原発いらない」「民意」「NO NUKE」など思い思いに表現されたプラカードを掲げ「再稼働反対!」と叫んだ。

テレビ局をはじめとする取材陣も多く、道端でインタビューを受けている人も見受けられた。一等地を占拠していた「再稼働反対

総理官邸前:大飯原発再稼働反対を表明する一般の人々

に反対」する人々の声はその数の違いでかき消されたが、その対照は混迷をきわめながら存在していた。

この連続デモを2010-11年チュニジアでの民主化運動「ジャスミン革命」にかけて、「あじさい革命」と呼ぶ人もいるようだ。なかなかいいネーミングだと思う。母親などに連れられた子どもの参加者も少なくなく見受けられた。明らかにこのデモの縁の下の力持ちは「女性」である。しかしながら、真に歴史を変える「革命」とは、子どもが参加できるものではないはずだ。誤解をおそれずに言えば、「あんなに危ないところ、行ってはいけませんよ」と子どもに言わざるをえないような、さらなる真剣勝負が生まれるか否か。この夏はそれが問われる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

黒田 麻由子 (ノンフィクションライター)

主著に『墓石の下には眠らない』(朝日新書・08年)『冒険者忘れえぬ一言』(NHK新書・03年)『ランニングウーマン』(情報センター出版局・96年)がある。その他、書籍の執筆や雑誌等への寄稿歴多数。取材・執筆のかたわら、2011年に地域メディアのグループを立ち上げ、リテラシー能力をいかに高めるか、またジャーナリズムとは何かを考えつつ、活動中。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

カテゴリー

最近のコメント

    コエカタマリンの運営サイト

    LUCE ルーチェ
    自分に正直な女子のための
    <コスメ+趣味>メディア
    Nyagios
    あなたのサイトを死活監視。
    ウェブモニタリングツール
    カタマリマネージャー
    月500円のCMS!既存サイトにも今すぐ導入可能
    Twitterと政治/ぽりったー
    国会議員/地方議員の発言をリアルタイム表示
    ソーシャルメディア活用・改善
    Twitter・Facebook向けソリューションのご紹介
    WONDERWALL
    極小・低電力・低価格な
    デジタルサイネージ端末
    WordPressによるサイト制作・CMS構築
    低価格で充実の更新システム
    NucleusCMSのホームページ制作
    オープンソースCMS導入運用
    MovableTypeのサイト制作・移管など
    構築からメンテナンスまで
    XOOPS Cube/Legacy/X の構築・改修
    導入・保守・他CMSへの移行